マンションのクローズキッチンをオープンキッチンにリフォームするにあたり、システムキッチンでは間取り的にもデザイン的にも対応が難しい事が分かり、弊社にお声掛け頂きました。
ドイツに住まわれた経験があり、建築にも明るいお施主様は、既にレイアウトやデザインのイメージを明確にお持ちだったため、お話を聞かせていただき、イメージをカタチにするお手伝いをさせていただきました。
天井の凹凸を利用した間接照明はご主人様のこだわりです。とても素敵ですね。
元々はリビング側は壁にふさがれており、クローズの空間にL型のキッチンがレイアウトされていました。今回のリフォームでは、コーナー部分の壁を一部残し、その他をオープンにすることで、とても開放的なキッチン空間になりました。
キッチンの扉はアイカ工業のメラミンのマホガニー柄(TJN10050KQ)、ハンドルレス(J型)でスッキリとしたデザインになっています。
背面収納はキッチンの木目柄ではなく単色のホワイト(アイカ工業のQN-6300)でシンプルにしました。このようにキッチンと背面収納の色や柄を全く違うものにするデザインはこれから人気になりそうです。
シンク側のカウンターは奥行きが90cmあり、スツールなどが置けるようになっています。このキッチンカウンターを中心にダイニングとリビングが緩やかに繋がっている感じがします。
天板が少し出っ張っているので、サイドパネルは40mmと少し厚めにしてボリューム感を出しました。カウンター上のペンダントもお施主様が探してこられました。
L型キッチンのサイズはコンロ側が210cmでシンク側は264cmです。シンク側(リビング側)は全部をオープンにする事も出来ましたが、あえてコーナー部分(約95cm)を壁にするにより、目隠しになる部分を設けました。ちなみにオープンになっている部分の長さは169cmです。
背面収納は約200cmとなり、収納する物に合わせてレイアウトを決めました。
コーナー吊戸棚の高さを天板から39cmと低めに設定したため、通常、使いにくいと言われるコーナー吊戸棚ですが、とても有効な収納スペースになっていると喜んでいただけました。
クォーツ天板はフィオレストーンのローズティーという石種になります。その名の通り、少しピンクが掛かった大理石模様は扉の木目や壁タイルとの相性もバッチリです。
ステンレスシンクはトヨウラのN801BIA、水栓はリクシルのSF-HM451SYXUをお選びいただきました。
食洗機はミーレ25周年記念モデルG4920SCiです。
いつもと同じようにキッチンの扉材を取り付けました。
レンジフードは富士工業のADR-3A-7516のシルバーにキッチンと同じ扉パネルを取り付けました。ガスコンロはノーリツのファミと言う機種になります。
コンロ前の壁は元々、お手入れ重視でキッチンパネルにする予定だったのですが、旅行中にイタリアのホテルで見た壁の大理石にインスピレーションを受け、急遽タイルに変更になりました(笑)
奥様が一生懸命探されたタイルはキッチンの扉や天板の色ともうまく馴染んでおり、お気に入りポイントになりました。
背面収納にはミーレの電子レンジ機能付きオーブン(H6400BM)がビルトインされています。シンプルな背面収納の真ん中に電気オーブンが配置され、目を引きますね。
下の画像はリビング・ダイニングに敷かれたカーペットとキッチンの硬質タイルの区切り方を表したものです。ちょうど背面収納の境目に合わせて区切ると、ダイニングも十分なスペースが取れ、また水がはねてもカーペットに掛からずにちょうど良い区切り方でした。
特にリフォームの場合、この床材の区切り方で悩むケースが多々ありますので、紹介させて頂きました。