相模湾を望む高台に建設されたセカンドハウスに設置させていただいたオーダーキッチンを紹介します。はじめてお問い合わせいただいてから約2年経過していますが、新築の場合は構想から実際に施工事例を紹介させていただくまでが1年を超えてしまうケースも少なくありません。
特に今回の場合は、お施主様がアメリカ在住という事で、メールのやり取りを中心にプランやイメージを共有し、たまに帰国された際に実際にお会いして、打ち合わせを進めました。
構想当初より明確なイメージをお持ちでしたので、以下のような画像をお送りいただき参考にさせていただきました。特に縦リブが均等に入った扉デザインやミルクティーカラーの色合いがこだわりポイントになり、デザインスタイルとしては、コテコテのフレンチカントリーというよりも少しモダンよりのテイストが加わっており、大人っぽいフレンチモダンになりました。
レイアウトはコンロが設置された壁側のI型キッチン、シンクが設置されたアイランドキッチン、そして壁に組み込まれたトールキャビネットの3つのパーツに分かれています。
コンロ側は左端の冷蔵庫スペースを含めると約3.5mmの長さになり、窓を中心にシンメトリー感が出るようにレイアウトしています。また、天井高さが270cmに対して吊戸棚上部が240cmに設定し、あえて上部に30cm空間を設けています。
窓の上には、扉と同じミルクティー色に塗装した飾り棚を取り付けています。住み始めてから、いろんなものを飾られる事でしょう。また冷蔵庫の上には、上方向に開くフラップダウン扉の収納キャビネットを組み合わせました。
ベースキャビネットも同じ幅の引き出しを並べる事により、とてもスッキリとしたデザインになっています。IHコンロの1段目の引き出しはフィックス(固定)になっていて開きませんが、見た目を合わせるためにダミーのハンドルを付けました。
シンク側のアイランドは長さが約2mで奥行きが90cmの大きさです。通常、シンクキャビネットのシンク部分はフィックスパネルになるのですが、縦リブのデザインを綺麗に見せるために無しにしました。
将来、ディスポーザーを取り付ける予定ですので、引き出しではなく開き戸にしました。扉の裏には包丁差しが取り付けられています。
アイランドのダイニング側には奥行きが20cmくらいの薄い開き戸キャビネットが組み合わされています。また、正面から見てみると分かりますが、外壁側の天板が約20cmせり出しています。ゴミ箱を置く事も出来ますし、スツールを置いて座ることも出来ます。
薔薇をモチーフにしたツマミは、お施主様がアメリカで探して支給していただいたものです。ユーロキッチンズでは、いろんな取っ手をご用意していますが、今回のように、お好きなものをご用意いただければ、それを取り付ける事も出来ます。
こちらもお施主様が探してこられたハンドルです。他にもコンロ前のタイルや照明器具も同じようにアメリカで調達したものです。
幅が約1.2mのトールキャビネットを壁に埋め込んでいます。中段にはミーレの電子レンジ機能付き電気オーブン(H5040BM)がビルトインされており、その左側には調理家電を隠しておけるスイングアップ扉が組み込まれています。
スライドも組み込んでありますので、このように開けて手前に引き出す事が出来ます。
IHコンロはミーレの3口タイプ(KM6311LPT)、レンジフードは富士工業のADR-3A-9017のホワイトですが、前幕板をキッチンと同じ扉パネルに交換して一体感を出しています。
食器洗浄機はミーレのG6100SCiホワイト、キッチンと同じドア材を取り付けています。
クォーツストーンのキッチンカウンターはシーザーストーンのオーガニックホワイト、シンクはコモのカラーステンレスシンク(COMO-C8 ホワイト)、水栓は浄水器一体型で三菱クリンスイのF914(グローエ)モデルを採用しました。