アメリカ駐在中にお声掛けいただき、帰任のタイミングに合わせてマンションのリフォームしたいとご依頼をいただきました。コロナの影響もあり、予定していた打ち合わせや現場確認が出来ない中で、メールを中心にレイアウトや仕様を決めていきました。
特にレイアウトについては、住居者がいらしたこともあり、取り除ける壁や柱が不確定でしたので、いくつかのパターンのレイアウトを同時並行で検討していきました。
最終的には壁も柱も取り除くことが出来ずにクローズキッチンになってしまいましたが、住み始めたあとに、結果的に良かったと言っていただいたのでホッとしました。(最初はオープンなキッチンを希望されていました。)
レイアウトは壁側にI型キッチンで背面にカップボードを組み合わせています。もともとのレイアウトと大きく変わらないのですが、パイプスペースを圧縮する事で、I型キッチンの長さを約310cmと延ばすことができました。
カップボードは既存の壁や通路幅を考慮し、幅140cmで奥行き58cmに設定しました。
通路幅は約82cm確保しておりますので、ガスオーブンやミーレ食洗機も十分に開く事が出来ます。
特徴としては、吊戸棚を低めに取り付けていることです。アメリカに住まわれていた経験から低い吊戸棚には慣れておりましたので、天板から吊戸棚までは約45cmとしております。
キッチン天板の高さが85cmですので、吊戸棚までは床から130cmになります。
なお、吊戸棚の高さは90cmです。
扉はシンプルなフラットデザインでハンドルレス(J型)になります。色は少しトーンを落としたN-93というホワイトを5分つやで塗装しました。
ステンレスシンクはトヨウラのN760ZW(幅76cm)、浄水器水栓は三菱クリンスイのF914ZC(グローエモデル)をお選びいただきました。水切りかごなどのシンクアクセサリーを使えるように、シンク勝ち(シンクが天板より少し出ている)で納めています。
デザインがよく、コストパフォーマンスも高い組み合わせです。(ユーロキッチンズの場合はシンクと水栓で85,000円です)
キッチンカウンターはクォーツ素材であるサイルストーンのデザートシルバーという石種をお選びいただきました。真っ白では面白みがないが、あまり派手な色を使いたくないというご要望でしたが、上品なグレーで控えめな流れ模様が入ったデザートシルバーはピッタリでした。
ミーレ食洗機(G6620SCi)です。
キッチンと同じ扉材を取り付けています。
ガスコンロはノーリツのプラスドゥ(N3WF2KJTKST)、ガスオーブンは同じくノーリツのNDR514ESTを組み合わせました。レンジフードはアリエッタのベッタですが、あえて両側のと間に隙間を設けることで空間に余裕が出たと思います。
幅30cmのボトルラック(調味料入れ)です。
幅41cmの3段引き出しです。
幅87cmのシンクキャビネット(2段引き出し)の上段です。
シンクキャビネット(2段引き出し)の下段です。
上段の扉の裏側には包丁差しが取り付けられています。
幅30cmの3段引き出しです。
幅75cmの吊戸棚です。扉の高さは90cmですが、箱を85cmと短くする事で開け閉めが簡単になりますし、棚下灯を目立たなくする事が出来ます。
最近は薄めの棚下灯も増えてきました。
カップボードに設置した幅90cmの家電収納キャビネットです。フラップダウンとスライドが付いており、炊飯器などを収納する事が出来ます。
下段には引き出しも付いています。
使わないときは扉を閉めておけばスッキリです。
壊してみないと分からない部分があるマンションリフォームで、かつ、お施主様が国内にいない状況である難易度の高い作業になりましたが、お施主様にも喜んでいただけて何よりでした。(お施主様も大変苦労されておりましたが(汗))